第二種電気工事士、電験三種、電気に関する資格はさまざまですが、どちらが難しい試験なのでしょうか。よく、ネットで質問している方を見かけます。
今回の記事では、この2つの難易度についてお話していきますね。
初めての電気の試験なら二種電工のハードルが低い
初めての電気の試験なら、第二種電気工事士のほうがかなりハードルが下がります。
試験問題を解くことに注目すると、「電気工事士は過去問を繰り返すだけで合格可能」、「電験は問題をしっかり理解していないと、試験問題を解くことができない」という点が電験三種のほうが難しい理由です。
二種電工試験は、筆記と技能の2つの試験があるため、一見こちらのほうが難しそうにみえますが、二種電工の筆記は過去問の繰り返し、技能は練習の繰り返しで比較的合格しやすいという性質があります。
そもそも、二種電工の試験を受けに行くと、高校生がたくさんいます。おそらく、工業高校の学生さんですね。在学中に受験されているのです。
電験三種は、工業高校電気科卒業レベル、とありますが実際の合格率は10%程度……。難しい試験であることがわかりますね。
過去問を比較してみよう!
過去問題を見るとわかりやすいので、実際の問題を見て説明します。
まずは第二種電気工事士の試験での比較。
平成29年の上期試験がこちら

次に、平成29年の下期試験がこちら

どちらも電線の太さを決めるために行う計算で、そんなに複雑な話ではありません。
これ、出てくる記号も数字もほとんど同じなのが分かりますか。1つ目の問題ができたら、2つ目の問題も全く同じ解き方でクリアできそうですね。数字を書き換える程度で解けそうなことが伝わると思います。
さて、対する電験三種はというと
平成27年の試験がこちら

平成28年の試験がこちら

どちらも理論にでてくる直流回路の計算問題です。使ってる知識はほぼ同じ。でも、回路図が全く異なることがわかりますね。つまり、平成27年の解き方の数字を変えた、程度では28年の問題は解けないのです。
そもそも、取得した先にある仕事が違う
そもそも、この2つは取得した先にある仕事が異なります。受験を検討しているあなたは、どちらの仕事を希望しますか?そこが結構重要です。もちろん、電験を取る前に二種電工を勉強してみるのはアリですが……!!
まず、電験三種を取得すると、建物の電気の管理ができるようになります。それに対し、電気工事士でできるのは電気工事です。
先に、電験三種を取得した人の仕事からお話します。
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電気工事士と電験三種取得者が1番近くで働くことになるのは、電気工事の維持、運用に関する保安の監督をするような仕事をするときです。電気工事をするときに、保安監督が必要であると定められている現場では、電験三種をもった人、つまり(第三種)電気主任技術者が工事の監督をしないといけないのです。
電気主任は、建設中に現場で事故が起こらないように、管理する人なんですよ。
次に、ビルのような大きな建物の施設管理にも、電気主任技術者が必要です。大きな建物にはたくさんの電気が必要なので、高圧の電気設備が入っています。その電気設備が正常に動いているか確認することは、電気主任技術者の重要な仕事なのです。電気設備が正常に動かなかったら、建物が停電してしまったり、事故につながったりと、様々なことに支障がでてしまうでしょう。
このブログでお話している第三種電気主任技術者は、5万ボルト未満の電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安の監督を行うことができます。それより大きな建物になると、工事の監督も、建物の施設管理も、より上位の資格が必要になっていて、それが電験二種、電験一種の世界になっていくわけです。
では、電気工事士の仕事はどんなものかというと、第二種電気工事士の場合は「低圧の電気工事」ができます。電気主任技術者は大きな工事の監督をしていますが、家のような小さな建物の場合、電気主任技術者が監督することはありません。
例えば、私たちの家は一般的に200Vで電気を受電しています。低圧とは600V以下の電圧で受電する電気工作物なので、家の電気工事は第二種電気工事士がしてくれるんですよ。
一般家庭、小規模な飲食店、小さな会社、などなどの工事をするのが、電気工事士というわけです。
つまり、電験三種をとった人は監督をする人、電気工事士をとった人は、現場で工事をする人、になるわけですから、資格を取得した先にある仕事は全く異なるということです。
第一種電気工事士は中間ではないので注意!
第二種電気工事士は簡単そうだからキャリアアップにならなそう、電験三種は難しそう……。そうだ!第一種電気工事士を受けよう、と思った方は要注意です。
第一種電気工事士は、第二種電気工事士の上位資格で、二種電工よりも高圧の工事をすることができるようになります。しかし、第一種電気工事しの免許発行には実務経験が必要。つまり、第二種電気工事士を持って実務を行い、経験をつんでいないと免許をもらえないわけです。試験に合格しただけでは、免状はもらえません……。
これを知らずに勉強を始めてしまったらもったいないので、覚えておいてくださいね。ちなにみ電験三種は実務経験無しで、合格さえすれば免許をもらえますよ。第二種電気工事士も。
まとめ
電験三種と二種電工では、電験三種のほうが難しい試験であり、仕事も電気工作物の保安監督といった、上位の仕事ができるということです。
ただし、電験三種も独学で受験ができないわけではありません。もし、電験を受けられるなら、次の記事も参考にしてみてくださいね。
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