電験三種の電力は、過去問題をみていると文章問題が多く見られ、理論より解きやすい印象を持つ方が多いのではないでしょうか。
しかし、問題を解いてみると、意外とクセがあって、勉強が進まない…と悩んでいませんか。
今回の記事では、電力科目の勉強方法と、70点で合格することを目指すための学習についてお話します。
電験三種の電力って何を学ぶの?
電験三種の電力科目では、電気を作り、送る過程を学びます。
もう少し詳しくすると、「発電所、変電所、送配電系統のことを電力系統というのですが、電力ではこの電力系統について、どのように電気が作られて、私たちの家まで届いているのか」ということについて学習するのが電力科目です。
電力科目にも計算問題は登場します!
理論ほどではありませんが、電力にも計算問題が登場します。
平成29年、28年の問題を見たところ、私が受験勉強をしていた25年頃より、計算問題が複雑になっているように見えます。
計算問題と文章問題の割合は、4(計算):6(文章)から5(計算):5(文章)の割合くらいでの出題です。
ただし、理論みたいに見たことがない回路が出てきた!ということは少ないです。
掲載についてはある程度パターンは決まっていますので、理系科目が苦手な方にとっては、理論より複雑ではない科目となるでしょう。
電力から勉強をはじめる?ちょっと待って!理論はしっかり勉強した?
そんなに複雑ではないとはいえ、電力にも登場する計算問題。
これらは、電気理論の、直流回路、交流回路、三相交流回路あたりをしっかり学習していなければ、なかなか理解ができません。
というのも、私たちが使っている電気は、三相交流回路で学習した仕組みで送られてきています。
その過程について計算する計算問題がでてきるため、理論の学習は必須となるのです。
また、電力では『ワット(W)』という電力や『ワットアワー(W・h)』や『ジュール(J)』など、電力量の単位をよく使うので、これらの単位について変換できる力を身に付けていることも必須です。
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電力の攻略は、『発電所』と『計算問題』をクリアして7割合格を目指す
電力科目は、水力発電や火力発電、原子力発電などの『発電所関連』と、『変電所』、『送配電系統』、『電気材料』について学びます。
電験三種の範囲で、現在日本で行われている発電や送配電のすべてを学習することは難しいので、広く浅く全体的に学ぶようなイメージで学習していくことになります。
私のおすすめは、『発電所』と『計算問題』をクリアして7割合格を目指すやり方です。それについて、解説していきます。
発電所の問題は得点源にしやすい!
まず、発電所関連は、問題の傾向が、過去問題と似ている傾向にあります。過去問題を15年ほど解いてみるとわかるのですが、15年目を解いているときには、ほとんど初見の問題は出てこないのではないでしょうか。また、参考書で解説されていない内容についてもあまり出題がないので、得点源にしやすいです。
電験二種を持っている友人がいるのですが、彼いわく『発電所関連は電験三種の範囲では難しくしづらい』そうです。
変電所や送配電系統は計算問題が攻略のカギを握る!
変電所や送配電系統については、その仕組みを理解できるよう、参考書をしっかり読み、電気の運ばれてくる流れを理解することが重要です。
そして、電気が運ばれる流れを理解することができたら、変電所では電圧の変更(変圧器)、電線では電線による電力の損失などがおこることがわかります。
電力の計算問題は、それらの電気が運ばれる流れでおこる、電気の損失や、変圧の仕組みについての計算です。
電力の計算問題も、過去問を15年分ほと解くと、その傾向が似ていることや、使っている知識が似ているということがわかってきます。
15年目にチャレンジするころには、発電所関連と同じく、聞いたこともない知識を使うほどの問題にはあまり遭遇しないでしょう。
難しい文章問題は、参考書を隅々まで覚えないと解けないことも…
電力の問題で難しいのは、発電所や送配電系統の分野から出題される、文章問題です。毎年、参考書で出てきたときにさらっと読む程度で済ましてしまうような知識について、十分に知っていないと解けないような問題が出ます。
電験三種の電力を学習する際には、今の日本で行われている幅広い送配電の仕組みについて、『広く浅く』しか触れることができません。
つまり、深い知識を身に付ける学習をしていては、とうてい時間が足りないのです。
そのため、中には参考書を隅々まで暗記しておかないと解けない問題も出てきてしまいます。
こういった問題で点数をとりにいくのは、少し効率が悪いというのが私の見解です。
電験三種は60点で合格できるので、難しい問題は落とすつもりで臨んでも問題ありません。
ちなみに、電気材料については、ほかの科目との繋がりがあまりない上に、膨大な暗記が必要となってきますので、私は全く勉強していませんでした。
ただ、こちらも毎年1問は出題されているようなので、計算が苦手という方は、暗記してみても良いでしょう。…私はあまりおすすめしませんが(´;ω;`)ウゥゥ
まとめ
電験三種では、電気を作り、運ぶ過程について学びます。日本で行われている電力系統について、広く浅く学ぶのです。
発電所関連は、問題の傾向が似ているので得点源にしやすく、全ての分野において計算問題もパターンが似ているので、発電所関連と計算問題を確実に抑えて70点を目指しましょう。
なお、送配電系統の仕組みについては、知っておかなければ計算問題も解けないので、参考書に太字で書かれているような項目については、理解・暗記も必要になってきます。
が、完全マスターのような太くて複雑な参考書を隅々まで覚えるのは難しいので、「発電所関連と全ての分野の計算問題を確実に抑える」+「広く浅く送配電系統を理解する」で、70点合格ができれば理想的です!
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