電験三種の機械といえば、最難関科目といわれている、ハードルが高い科目です。
しかし、電験三種合格のためには必須ですから、乗り越えなければなりません。
みなさん、ここまでくるのに、理論の計算や回路図、三相交流、電力の%インピーダンスなど、多くの「なんじゃこりゃ!?」にであったかもしれません。しかし、私にとって機械科目はとてもハードルが高く、最後に「なんじゃこりゃ!?」の連続でした。
一瞬、合格をあきらめたほど(笑)
でも、私は電験三種に合格できました、やってできないことはなかったです!ということで、私が試行錯誤しながらつかんだ機械の勉強方法をお伝えしていきたいと思います。
機械科目は、最後のハードルとして待ち受けている科目ですが、効率よく学習して頑張りましょう。
電験三種の機械では、何を勉強するの?
「機械」といえば、工場で使う大きな機械や身の回りにある電子機器などを想像すると思いますが、電験三種における機械科目では「機会を使う装置全般」を学びます。
理論科目で電気の基礎を学び、電力科目で電気を作ってから需要家まで送る過程を学び、機械は、電気を使う機器について学ぶ。これで、電気を使うまでの知識が一通りそろいますね。
機械は最難関の科目なの?
機械科目は、電験三種の最難関科目といわれています。
が、直近の傾向はそうでもないようです。
最近の科目合格率をみてみましょう。
受験年度 | 合格率 |
平成22年 | 11.6% |
平成23年 | 17.6% |
平成24年 | 10.0% |
平成25年 | 17.1% |
平成26年 | 16.3% |
平成27年 | 10.7% |
平成28年 | 24.3% |
平成29年 | 16.3% |
平成28年度の機械、合格率が非常に高いですね。
続く平成29年度も、比較的合格率は高めです。最近の傾向が軟化しているのか、機械科目の出題傾向が変わったのかは不明ですが、平成24年や27年のような年に当たらなければ、そんなに難易度が高すぎるというわけでもなさそうですね。
とはいえ、機械の専門性は高い
機械科目は、計算問題と文章問題の割合が5:5程度で、計算問題も文章問題も出題されます。一見、理論より取り掛かりやすそうに見えるのですが、実はそうではありません。
機械科目は、取り扱う範囲が非常に広いので、「自分の専門分野と重複する部分があったとしても、重複しない部分も多い」「専門的すぎる」「電力科目と違って日常的に目にするものが無い」「イメージがしづらい」などの理由から、非常に難しいと考えられますし、私もそう思っています。
機械科目は「捨てる分野」をはっきり決めて挑もう!
機械科目は、他の科目よりも「得点する分野」と「捨てる分野」の差をはっきり決めましょう。かける労力を効率よくするためです。
機械については、次の5分野を、「当日すべて解ければ」合格できるのが最近の傾向です。
・直流機
・同期機
・誘導機
・変圧器
・パワーエレクトロニクス
この5つの単元をクリアできるかどうかが、合格のカギを握っています。
機械には、そのほかに
・照明
・電熱
・電気化学
・自動制御・制御理論
・デジタル回路(論理回路)
などの分野が含まれています。
この5つは、専門的でそれぞれが、ほぼ繋がっていません。
そして、理解するには非常に時間がかかってしまいます。しかも、労力がかかる割には、毎年出題されるとは限らないのが最近の傾向です。
そのため、後半の5つすべてに手を出すのは非常に効率が悪いので、得意分野を作って他はあまり手を出さないことをおすすめします。
まずはじめに、必須4分野は確実に抑えて
機械を勉強する上で特に重要となるのが、この4分野です。
・直流機
・同期機
・誘導機
・変圧器
これらは、機械科目合格に欠かせない4分野です。当日、この中のどれか1つでも解答できなければ、不合格になってしまう……。くらいの気持ちで臨んでください。この4つの分野で50点から55点程度の出題があります。ここさえ押さえれば、合格はすぐそこに……!
これらの4分野に共通するのは、「機械の仕組みについての文章問題」と「機械を等価回路に置き換える計算問題」が出題されます。
初学者の場合、初見ではなかなか理解ができない内容も多いので、繰り返し参考書と問題集を解くことで理解を深めていきましょう。徐々に分かることが増えてくれば大丈夫です!
私のおすすめとしては
1.参考書を読む
2.参考書を二回読む
3. 機械を等価回路に置き換える計算問題を数年分解いてみる
4. 機械を等価回路に置き換える計算問題が分からなければパターンを覚えてしまう
5.もう1度参考書を読む
6.素の分野の過去問題を全て解いてみる
の繰り返しです。
ちなみに、私はここまでやっても、 機械の仕組みについての文章問題が解けませんでしたので、こちらの副教材を使いました。
この本、参考書を読んでないと全く理解できない本なのですが、参考書で分からなかったことに確実に答えてくれるという、不思議な本です。
この本の内容と、普通の参考書の内容が合体した解説本が出たら最強なのに(;^ω^)
私は参考書を変えるのはあまりおすすめしていません。
が、これは副教材として持っていても損はしないと思います。
参考書の乗り換えはおすすめしませんが、調べるための資料を持っている分には損はないですからね。
この4つを抑えた後に学習すれば、そんなにハードルは高くないでしょう。
ちなみに、参考書通り正確に分類すると、この4つの分野を総合的に学習することになる「電動機応用」などと呼ばれる分野もあります。(私的には分野として独立させるが微妙なところ)。
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パワーエレクトロニクスも複雑な問題以外は解けるように仕上げたい
次に、パワーエレクトロニクス。
パワーエレクトロニクスは、理論で学習する電子回路と深いかかわりがあります。
しかし、私は理論合格のために電子はとばしてもいいんじゃないか、という説を話しています。
それだけ、ベースにある概念が難しいんです。
ただ、このパワーエレクトロニクスは多いときだと15点分くらいの出題があります。恐ろしい(;^ω^)
出題のパターンはある程度決まっていますので、複雑でないときにA問題や、B問題の(a)を解ける程度に仕上げておくことをおすすめします。まるまる飛ばしてしまうと、大失点をしかねないためです。
ただ、すべての過去問題を理解するには、少しハードルが高いように思います。
最低でも残り2分野は得点源にできるよう仕上げて
さて、残るはこの分野
・照明
・電熱
・電気化学
・自動制御・制御理論
・デジタル回路(論理回路)
このうち2分野は得点源にできるよう仕上げましょう。
ちなみに、分野別におすすめなのはこんな方です。
・照明→数学、図形、ベクトルや三角比が得意な人向け
・電熱→比較的取り掛かりやすいので万人向け
・電気化学→高校で化学を学習した人向け
・自動制御・制御理論→専門的な学習をした経験がある人向け
・デジタル回路(論理回路)→専門的な学習をした経験がある人向け
なぜこう分類したかといいますと、「自動制御・制御理論」や「デジタル回路(論理回路)」は普通科の高校ではあまり学ぶことがないためです。
さらに、デジタル回路(論理回路)では情報の分野も取り扱うので、言語の問題が出てくることがあり、素人には理解が難しいです……。
ただ、時たま「2進数」「16進数」などのボーナス問題もありますので、一通り参考書を読むと良いでしょう。
全部苦手!という人は無難に、照明、電熱、電気化学を重点的に学習することを進めます。
ここから10点程度とれれば、合格はすぐそこですよ!
まとめ
電験三種の機械におけるおすすめの作戦は
次の4つで50点以上
・直流機
・同期機
・誘導機
・変圧器
パワーエレクトロニクスで5点以上
その他の分野で5点から5点以上
合計60点で合格できるように攻略すること!最近の合格ラインは55点です。
機械は最難関科目といわれていますが、やり方さえ効率よくしていけば、必ず合格は見えてきます。
頑張りましょう!
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